Let it BEAT?

バトントワーリングを広く世の中へ 佐々木敏道のブログ

映画『幕が上がる』を本番が怖いと思ったことのある人に是非見て欲しい。

   

幕が上がる

幕が上がる』を観ました。続けて原作の『幕が上がる』も読みました。

私たちは、舞台の上でならどこまでもいける。

弱小演劇部が全国大会を目指す、という青春映画の王道ともいうべきストーリー。

主演:ももいろクローバーZ
監督:本広克行
原作:平田オリザ

だいぶ前に平田オリザさんに密着した観察映画『演劇』に、衝撃を受けました。演劇に対する私のイメージとは真逆の方で、『Chaplin』公演直前だった私に更なる覚悟を与えてくれた映画でした。


そんなオリザさんの小説を映画化した、と聞き久しぶりに強い意志で見に行きました。 そして。

 

『幕が上がる』の予告編に騙されるな!

実は予告編のPVを見て少し不安だったのです。冒頭に演劇部の特訓シーンがあり、それが時代錯誤というか、汗臭すぎるというか…まずはご覧ください(笑)

問題のシーンは主人公のある時点での心理描写でした。映画ならでは、というか、プロモーション的というか。
PVの後半の雰囲気が全編通して流れている空気感です。青春の甘酸っぱい感じに悶えることもできるし、本番への恐怖や緊張など実感を伴って伝わってくる。
劇中で(小説かも…汗)大会へ出発する際に「ここに戻ってくるときは、全てが終わっているんだ」的な独白があります。
これ、私が現役の時にそのまんま思っていたことで、どきっとしました。

映画と小説の違いは、対象。誰に向けたものかが違ったのだと思います。
映画は小説よりも幅広い層に向けており、それに成功しているとも思いました。

 

モノノフのためのアイドル映画なの?

私はももクロをほとんど知りません。映画中盤に至って初めて、ああ!この子たちがももクロちゃんなのか!とわかる程度の私です。
それでも映画は良かった。演技力、といってしまえばそれまでだけど、物語を誰かが邪魔することがないって実はすごいことです。
撮影に際して、オリザさんが演劇のワークショップを数回したそうですが、役者としての驚異的な成長を遂げたとコメント。
ファンだけのための映画ではありませんでした。

 

「演劇は一発勝負じゃない。」心を打たれた吉岡先生の台詞

黒木華さん演じる吉岡先生の言葉が素晴らしかった。

「演劇は一発勝負じゃないの。本番のたびに同じことを繰り返さなきゃいけないの。偶然に頼らない。最後に勝つのはちゃんと計算された演技だけ。」

劇作家平田オリザの確固たる思想。
アドリブで台本を組み立てることはあっても、本番は組み立てたものを正確に再現することを求める。

これってあらゆる本番がそうだと思います。アドリブできる人ってかっこよく見えるけど、実際の所どこまでアドリブなのかはわからない。
『気持ちで』やりたい身体表現系の人は多いです。『気持ちよく』踊りたい人も多い。
そういう人に限って練習を怠る。繰り返すことを嫌がる。『才能とは繰り返すことだ』と定義しよう。そんな言葉。
彼女は劇中、部員にとって裏切りといえるような決断をしますが、私には自然なことのように思えました。常識的ではありませんが、演劇というものの魔力を感じました。

派手な演出はありません。奇跡も起こりません。
少女たちの生の息づかいが聞こえるような、一緒に緊張感を味わえる映画です。
原作は、映画では拾いきれなかった舞台作品完成に至るまでの道筋を丁寧に描いています。
基本的に原作派の私が、両方ともに良いと思いました。
まだまだ好きな点をあげたいのだけれど、この辺で。

素敵なバトンの映画作りたいなー。

 - 舞台・映画・書籍

        

Comment

  1. 野口春世 より:

    初めてコメントさせていただきます。
    鶴見バトンスタジオでバトンをやっていまして、今は役者をしています。

    素敵なバトンの映画を作りたい
    という言葉に惹かれて、思わずコメントしました!
    ぜひ一緒に作りたいです!
    芝居の面で、お手伝いできたら!
    そして出演させて下さい!
    図々しくすみません。笑

  2. tosswi より:

    野口春世さん

    バトン出身の役者さん♪舞台で回したりもするのでしょうか。

    素敵なバトン映画…佐々木の妄想が現実となる際にはお知らせいたします☆
    嬉しいコメントをありがとうございました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  こちらの記事もどうぞ

映画『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』

ここ半年ほどひたすらアウトプットしてきた結果、インプットに飢えています。 観たい …

バトントワーリングスペシャルブック『トワラー』Vol.6予約受付開始のお知らせ

2013年に産声をあげた現在唯一のバトン専門誌『TWIRLER』も早くも第6号を …

バトントワーリングスペシャルブック『トワラー』vol.4

バトンの専門誌『トワラー』の第4号が発売され(てい)ました…! 今回も知らなかっ …

映画『マネーボール』がめちゃ面白かった。

映画『マネーボール』を見た@MOVIX京都 たまたま見た朝の情報番組に主演のブラ …

初綾戸智絵さん。

綾戸智絵さんのデビュー10周年記念ツアーを聴きに京都会館へ行ってきました。 チー …