Let it BEAT?

バトントワーリングを広く世の中へ 佐々木敏道のブログ

バトンのドロップ1本につき何秒ロスしているの?実際の演技から検証してみた。

   

By: GotCredit

あるところに調子の良いときには曲が余り、調子の悪い時には曲から振付がはみ出してしまうバトントワラーがいました。

「振付は調子の良い時悪い時のどちらに設定すべきですか?」
※振付のレベル設定に問題があるのでは…?とかは心の引出しにそっと仕舞ってください。

そうです。ご存じ振付の分量問題です。
練習の時はやたら曲からはみ出すくせに、本番だけはめっちゃ早く終わって満面の笑みでポーズ☆し続ける例のやつです。
いくらtosswiが緻密に計算して振付したっておかまいなし♪
…練習のときからそのスピードでやれや。ぼそっ。

ぜーんぜん怒ってないよ?地球温暖化現象に怒ってるだけです。
24時間不眠不休でぼやき続けることもできるけど、無駄やし次いこう。

 

1本バトンを落とすと演技時間にどれぐらい影響するのか。

前回(第39回)の全日本映像からグランプリ戦をチョイス。
演技中にドロップ(手からバトンが離れて)し、拾った後バトンが回転し始めるまでの時間をストップウォッチで計測しました。

・演技ラストのドロップは急いで拾う必要がないため除外
・2&3バトン、ペアで2本以上落ちた場合は1か所として計測
→なので、下記ドロップ数よりも実際のドロップは多いです。

By: ajari

結果発表

全6種目28演技の合計ドロップロス時間÷総ドロップ数
=100.23秒÷37本
=2.7秒/本
ドロップ1本につき、平均2.7秒ロスしているという結果に。

※ちなみに、1本あたりの最大ロス時間は7.72秒、最少は0.69秒でした。
※※ちなみに×2、全グランプリ戦のうち1曲分(100秒以上)は選手の演技ではなく拾っている姿を見ていることになりますが、そんなこと言うとすごく感じ悪いので心のウォークインクローゼットに仕舞っておきます。

 

各種目毎のドロップロス時間に注目してみよう。

種目によるロス時間を見てみる。

・ソロトワール(8部門)
ドロップロス時間(31.77秒)/ドロップ数(13本)=2.44秒

・2バトン(4部門)
ドロップロス時間(11.26秒)/ドロップ数(5本)=2.25秒

・3バトン(4部門)
ドロップロス時間(36.94秒)/ドロップ数(11本)=3.36秒

・ペア(4部門)
ドロップロス時間(12.78秒)/ドロップ数(5本)=2.56秒

・ソロストラット(4部門)
ドロップロス時間(6.79秒)/ドロップ数(2本)=3.40秒

・ダンストワール(4部門)
ドロップロス時間(0.69秒)/ドロップ数(1本)=0.69秒

上記結果をグラフにまとめると、
種目別ドロップロス時間

 

ドロップロス最大のソロストラットですが、アウトオブステップ(足の踏み間違い)による減点があるため演技しながら拾います。この種目特性により他種目に比べて時間がかかったのだと考えられます。
ストラット(及びダンストワール)は曲に合わせて振付するため曲が余ったり、足りなくなったりは起こりにくいので例外としていいでしょう。

以上よりドロップロス順位は、1位→3B、2位→ペア、3位→ソロトワールとなりました。
予想通りというか、、、3Bがドロップ数、時間ともに他種目を圧倒する結果となりました。
(※ソロトワールは部門数が2倍)

 

データを無理やり現実の問題に適用してみよう。

実施要項よりペナルティの項目に曲余りが32拍を超えた場合0.2点の減点。
32拍=約12秒なので、12秒短い振付にした場合を考えると、

12秒/平均ドロップロス時間2.7秒=4.5本

演技中に5本落ちると曲が足りなくなることがわかります。

・12秒短い設定は現実的ではなく、5本以下で曲からはみ出す可能性が高い。
・本番ではトワリングスピードが上がる傾向にあり、多少のミスによる時間的ロスは相殺される。
・ミスがあった場合は演技中に振りを足し引きしながら曲内に収まるように調整するのが普通。

上記理由が複雑に絡みあって演技は成り立っているため、調子の良し悪しのどちらに設定するべきかを断定することはできません。
やはり心の百人乗っても大丈夫なイナバ物置に仕舞って…いや、敢えて言おうじゃないか。

結論:
1.本番と同じスピードで練習し
2.曲の長さ=振付の長さで
3.本番成功させればいいじゃない♪

 

そんなん無理やん!ってあなたには。
ヒント:『めんとれっ!』

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