Let it BEAT?

バトントワーリングを広く世の中へ 佐々木敏道のブログ

第34回(2018)世界バトントワーリング選手権大会 データ分析

   

8月2日~5日までフロリダで開催された2018 World Baton Twirling Championshipsが幕を閉じてから早2週間が過ぎました。日本は22連覇、23回目の国別総合優勝を果たし、前人未踏の記録を更新中。
もはや当たり前のようになってしまった当たり前のはずがない日本選手団の歴史的大活躍の裏でこんな話題が。

フィギュアスケートのルール変更に伴い過去15年の歴代記録がリセットされ、Historic Recordsに羽生結弦選手が歴代最高得点として永遠に残るとのこと。

記録は認知されて初めて意味を持つもの。
バトンにおける個人歴代の最高得点は、記憶に新しい伝説のあの人ですがそれ以外の記録も並べたい…!残念ながら私の手元には2010年以降のものしかないので、「お客様の中に1980年の第1回シアトル大会からの記録をお持ちの方はいらっしゃいませんか。」

ドロップに関するデータまとめ

ペナルティとしてのドロップにはネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、私は自由度の高い現行のバトン審査における重要かつ客観的な完成度の指標だと捉えています。ペナルティ≒ドロップが少ないことは、競技戦略上重要であるだけでなく、バトンが芸術スポーツとして発展していくために避けては通れない道でもあります。以上がドロップの分析をする理由です。

平均ドロップ数とノードロップ率について、個人、ペア、チームごとに予選、準決勝、決勝に分けて算出しました。(※ペア、チーム、男子ジュニアには準決勝がない)

〈算出方法〉
予選演技数:128曲(個人:94、ペア:24、団体:10)
準決勝演技数:52曲(個人:52)
決勝演技数:50曲(個人:32、ペア:12、団体:6)

・平均ドロップ数=合計ドロップ数/演技数
・ノードロップ率=ノードロップ数/演技数

平均ドロップ数(本)

以下予選→準決勝→決勝の順
全体 1.9→1.5→1.7
個人 1.7→1.5→1.4
ペア 1.9→2.0
団体 3.7→2.7

個人種目に比べてペアは単純計算で2倍(2人分)の、団体に至っては11.8倍のドロップ確率を抱えていながら、平均ドロップ数はその差ほどは開いていません。
ペア、団体が完成度をあげてきた不断の努力の成果であったり、国を背負って各国1組ずつしか出場できない重みによる後押しもあるかもしれません。

ノードロップ率(%)

全体 17→29→26
個人 16→29→31
ペア 29→17
団体 0→17

個人種目において予選から決勝でほぼ2倍に増加。94曲中15曲しかなかったのが、32曲中10曲のノードロップ。予選からの2日間で一体何が起きたのか、選手全員にインタビューしたいレベルの不思議な出来事です。
一方ペアでは大きくノードロップ率が下がっています。平均ドロップ数も増加していることから、全体的に予選の方が良い演技が多いと言えるでしょう。
団体のノードロップ率が大幅に上昇した唯一の原因は、日本代表チームの決勝ノードロップです。団体は性質上データ数が少ない(予選10、決勝6)ため1演技の影響が大きいとはいえ、平均ドロップ数の減少(3.7→2.7本)と合わせて個人同様決勝での完成度上昇に驚きを禁じえません。

過去データとの比較

さて、ここでノードロップ率について2014年のデータと比較してみましょう。

4年前と比べて予選のノードロ率が上がり、決勝が下がっています。本番ノードロ率は3割付近に壁がある…というよりは現状のバトン界では振付のリスクバランスが原因で3割に収束する説を唱えてみます。いずれ検証するときがくると思います。

それよりも注目すべきは、予選のノードロ率でしょう。
『上位になれば完成度も必然的に上がる』は感覚的に理解しやすいですが、下位を含む予選レベルでの明確なノードロ率の上昇から、下位の選手たちの完成度がたった4年で上がったということがわかります。今後も継続的に追うことで確証に近づくでしょう。

今大会でのMVT

今大会最優秀選手【Most Valuable Twirler】は…!

男子シニアの喜田将平選手です。
どれほどの人が気づいているのかわかりませんが、個人では彼だけが快挙を成し遂げました。もちろん個人初タイトル&ペアの二冠も鮮やかですが、それよりも!

予選、準決勝、決勝の全演技オールノードップは喜田選手だけでした。
個人種目では5人の選手が3曲中2曲ノードロップ。そのうち日本人選手は、西垣知枝選手、関友菜選手、鈴木治選手の3名でした。
シニアペア部門の銀メダリスト、フランスのペアが予選、決勝と両ノードロップだったことも合わせてお知らせいたします。

WBTFの英断

WBTFの全得点の詳細公開という画期的、かつ素晴らしい試みを手放しで称賛したいです。エクセルデータだったらより素晴らしい…ぼそっ。願わくば全日本選手権にもこの流れが拡大し、データの海に溺れてみたいものです。

result data
・day4 Final
・day3 Women & Sr. Men Semi/Team Prelim
・day2 Women & Men Prelim
・day1 Compulsory & Short Program/Pair Prelim

公式映像他

・日本人選手のダイジェスト映像(日本バトン協会より)

・各部門のダイジェスト映像はこちらから(大会公式サイトより)
https://www.worldbaton2018.com/news

・WBTF公式映像販売サイト
http://www.tri-rahnpictures.com/store/c4/WBTF_World_Competion_Order_List.html

・WBTF公式フォト販売サイト
https://mcdildaphotography.photoreflect.com/store/storesearch.aspx

健全なバトンライフを

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Comment

  1. Ten より:

    お待ちしておりましたー!
    コレで夏が終わる気がします。。。

  2. tosswi より:

    長らくお待たせしました!
    私もこれで四年ぶりに夏を終えることができそうです。。

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