Let it BEAT?

バトントワーリングを広く世の中へ 佐々木敏道のブログ

バトントワラー個人世界最高得点ランキング総括

   


念願かなって2010年代(以後歴代と呼びます)10年分の得点ランキングが完成しました。
もちろん2000年代以前のものも作りたいのですが、残念ながらデータがありません…。

ランキング入賞者120人(延べ人数)のうち日本のトワラーが87人…!72.5%が日本人という結果でした。
これまでずっと言われてきたことですが、世界大会で入賞することよりも日本の選考会を突破する方がよほどハードルが高いことがわかると思います。
しかし日本ぱねぇ!と喜んでばかりもいられません。競技とは文字通り技を競いあって発展していくもの。
日本の発展が世界の衰退を促してしまったこともまた事実だと言えるでしょう。裏を返せば日本が世界に大きく貢献できるチャンスでもあるのですが…。それはさておき。

ランキングの賢い利用法

この記録を辿っていくとジャッジのトレンドがわかります。『ジャッジにとって』評価の高い演技を知ることが戦略上有効であることは間違いありません。
個人的にあの年の演技の方が好きなんだけどーとか、あの選手の方が絶対良い演技だったよね!とかきっとあると思います。しかし、仮にこの記録とあなたの評価が一致していた場合”次の審査委員長はあなただ!”(適当)

歴代10位から1位までを振り返るビデオ観賞会とかどうでしょう?

コンパル/ショートを捨てることのできるラインとは

得点の配分がコンパル/ショート25%、フリースタイル75%の配分であるため予想通り全部門でフリースタイル歴代1位の選手が総合得点でも歴代1位となりました。
コンパル/ショートの歴代1位~10位の得点差が4部門平均で約4点差に対してフリースタイルでは約10点差。
極論ですがフリースタイルで4点差以上つけることができれば、コンパル/ショートは捨ててもいいということです。
ただし、この4点差は実際の点差(例えば5.6と9.6)ではなく、総合点における4点差です。

コンパル/ショートとフリースタイルの得点の出し方

単に1点差といっても両者では条件が変わります。
コンパルでは8つの振付をそれぞれ10点満点で、ショートでは8つのエレメント+パフォーマンス&コンポジションで各10点満点。
これらのトータルの平均値を2.5倍(25%換算)します。

一方、フリースタイルではテクニカルメリット(技術点)とアーティスティックエクスプレッション(芸術点)の各ジャッジ分トータルしたものの平均を更に準決勝と決勝での平均を出して7.5倍(75%換算)します。

また、両方に得点の上下カットシステムがありますが、これについては後述します。

コンパル/ショートとフリースタイルでの総合点での1点差

簡潔に以下のような条件とします。
・コンパル/ショート全ジャッジで平均1点差→総合で2.5点差
・テクニカル、アーティスティック、予選、決勝すべてで平均1点差→総合で7.5点差

先ほどの1位~10位の差で考えると、コンパル/ショートでの総合4点差=1.6点差、フリースタイルでの総合10点差=1.3点差となります。

さて、ようやく結論です。

コンパル/ショートとフリースタイルはどちらが大事なのか

歴代10位の選手がコンパル/ショートでの総合4点差をフリーでひっくり返して優勝するには、フリーで平均『0.53』点上回る必要があります。

更にコンパル/ショートでは女子に比べて男子の方が点差が大きいという結果に。(男子頑張れ!)
女子だと1位~10位が平均2.3点と僅かであるため、フリーで0.31点上回ればいい計算になります。
男子の1位~10位は平均5.7点で、フリーで0.76点上回る必要があります。

実例だと、女子ジュニア歴代1位の本郷爽花選手は2位の甲斐奈月選手と3.489の差です。
コンパル歴代1位の高橋歩暖選手の得点から引くと16.959点で、これはコンパルソリ―歴代18位に相当します。
コンパル18位→優勝というミラクルが実際に起きるのです。フリースタイルがここまで高得点だとコンパルでの差がほとんど影響しません。

コンパルソリ―推進派として少し納得はいきませんが、勝ちたければフリースタイル!が現実のようです。

上下カットシステムについて

ジャッジの最高点と最低点をカットして平均を出すシステムを上下カットと言います。
公平さを期した論理的なシステムだと思いますが気になる点が。

【コンパル/ショート】
男子ジャッジ4人→上下カット無し
女子ジャッジ5人→上下カットあり→3人のスコアの平均
でした。

大会時間が長くなる等の運営上の問題がミーティングでもよく取りざたされますが、
そういった理由で審査の公正さがぶれるのはどうかな、と感じます。

男子ジュニア(ペア、チームも)が準決勝無しであることも個人的には改善してほしいと考えています。
選手は審査の結果次第で文字通り人生が変わってしまうことをいつまでも忘れずにてほしいです。

健全なバトンライフを。

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